【製造業向け】設備補助金でよくある10の勘違い|省エネ設備更新を諦める前のチェックポイント
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2026/10/07
設備更新を検討していながら、「自社の設備は補助金の対象外」と思い込み、活用できる可能性のある支援制度を見落としていませんか。
製造業では、老朽化した生産設備の更新や、生産性向上に向けた設備投資に大きな費用がかかるため、国や自治体による設備投資向けの補助金が活用できれば更新したいと考える企業は多いのではないでしょうか。
一方で、
「うちの設備はカタログ掲載されていない特注仕様だから、補助対象にはならない」
「省エネ率10%を達成できないので使えない」
「増産予定なので省エネにならない」
と、詳しく確認する前に補助金の活用を諦めてしまっていませんか。
しかし、設備補助金には複数の申請タイプ(制度上の事業区分)があり、設備の種類だけでなく、更新範囲や省エネ効果の考え方によって活用できる可能性が変わります。
この記事では、省エネ設備への更新などで利用される補助制度を例に、製造業が設備補助金を検討するときに誤解しやすい10のポイントを解説します。
※補助対象設備、補助率、要件、公募期間などは年度や公募回によって変更されます。実際に申請する際は、その年度の最新の公募要領をご確認ください。
勘違い1|「SIIの指定設備一覧に登録されていないから補助金を使えない」
省エネ補助金を調べると、「指定設備」「SII登録設備」という言葉を目にすることがあります。
そのため、
「自社が導入したい設備が登録されていない=補助金は使えない」
と思われがちですが、必ずしもそうではありません。
令和7年度補正予算「省エネ・非化石転換補助金(設備単位型)」では、原則としてSIIが補助対象設備として公表した「指定設備」への更新が対象です。指定設備には、一般的な15設備区分のほか、「その他SIIが認めた高性能な設備」も含まれます。
一方、導入したい設備が指定設備として登録されていない場合でも、工場・事業場型では、要件を満たせばオーダーメイド型設備として申請できる可能性があります。例えば、
- 自社の製造工程に合わせて設計された特注設備
- 複数の機器を組み合わせた生産設備
- 市販の指定設備だけでは構成できない設備
- 生産ライン全体の更新
などでは、設備単位型以外の申請タイプを検討できる可能性があります。
つまり、設備一覧を見て該当設備がなかったからといって、それだけで補助金活用を諦めてしまう前に確認してみる価値があります。
「設備が登録されているか」だけではなく、「どの申請タイプなら対象になる可能性があるのか」を確認することが重要です。
勘違い2|「省エネ率10%以上を達成できなければ申請できない」
「省エネ補助金=10%以上の省エネが必要」と認識している方も多いのではないでしょうか。
しかし、省エネ要件は「省エネ率」だけではありません。
例えば、令和7年度補正予算「省エネ・非化石転換補助金(設備単位型)」では、一定の設備について、
- 省エネ率
- 省エネ量
- 経費当たり省エネ量
など、複数の評価方法が設定されています。
つまり、省エネ率だけを見ると条件を満たさなくても、対象設備や申請タイプによっては、省エネルギー量や投資額に対する省エネ効果によって申請要件を満たす場合があり、確認してみる価値があります。
大型の生産設備などでは、「何%削減できるか」だけで判断せず、複数の評価方法から確認することが大切です。
また、工場・事業場型では、申請区分によって「エネルギー消費原単位改善率」で省エネ効果を評価する方法もあります。
勘違い3|「増産を予定している設備更新は補助対象外」
「増産でエネルギー使用量が増えるなら、省エネ補助金は使えないのでは?」
これは、製造業で特に誤解されやすいポイントです。
設備更新後に増産し、工場全体のエネルギー使用量が増える場合でも、それだけで補助対象外になるわけではありません。
令和7年度補正の工場・事業場型では、生産量とエネルギー使用量の双方が増加する事業について、「エネルギー消費原単位改善率」で評価できる申請区分があります。
例えば、生産量1個・1tなど当たりのエネルギー使用量を基に算出する、工場・事業場全体のエネルギー消費原単位が改善していれば、
【一般枠】では7%以上、
【中小企業投資促進枠】では5%以上
の原単位改善率を満たすことで、工場・事業場単位の省エネ要件を満たせる可能性があります。
※これに加え、更新対象設備ごとに定められた省エネ要件など、その他の申請要件を満たす必要があります。
ただし、省エネ補助金で用いる省エネルギー量や省エネ率は、各制度が定める計算方法に基づいて算出する必要があります。
一般的な経営指標としてエネルギー消費原単位が改善していても、それだけで補助金の省エネ要件を満たすとは限りません。
増産や稼働時間の変更を予定している場合は、導入前後の生産条件や稼働条件をどのように設定して省エネ効果を算出するか、最新の公募要領と省エネルギー量計算の手引きを確認することが重要です。
※事例は採択当時の制度・公募要件に基づくものです。現在の制度では、申請区分や省エネ効果の算出方法が異なる場合があります。
勘違い4|「設備1台ごとに申請しなければならない」
補助金というと、
「コンプレッサー1台」
「工作機械1台」
「ボイラー1台」
といった、設備1台単位で申請するイメージがあるかもしれません。
しかし、設備補助金には、設備単位で申請する方法だけでなく、工場・事業場全体や生産ライン単位で設備投資を検討できる申請タイプもあります。
例えば、
- 破砕プラント全体の更新
- 生産ラインの複数設備をまとめて更新
- 工作機械と周辺設備を一体的に更新
- ボイラー、配管、制御設備などを組み合わせて更新
といったケースです。
1台の設備だけを見ると省エネ効果が小さくても、複数設備や生産工程全体で見ることで、より大きな省エネ効果が得られることがあります。
設備更新を検討するときは、「どの設備を買うか」だけでなく、「どの範囲を一つの省エネ事業として考えるか」という視点も必要です。
勘違い5|「設備価格×補助率=もらえる補助金額」
「補助率1/2なら、1億円の設備を導入すると5,000万円補助される」
このように考えてしまうケースがあります。
しかし、実際の補助金額は、それほど単純ではありません。
確認しなければならないのは、
- どの費用が補助対象経費になるのか
- 補助率はいくらか
- 補助上限額はいくらか
- 補助対象外となる費用はないか
- 省エネ要件を満たしているか
- 投資回収年数などの要件を満たしているか
といった条件です。
さらに申請タイプによっても、補助対象となる費用が異なります。
そのため、設備価格に補助率を掛けるだけでは、実際の補助金額を判断することはできません。
設備投資額ではなく、「補助対象経費がいくらになるのか」を整理することが第一歩です。
勘違い6|「補助金で対象になるのは設備本体の費用だけ」
これも申請タイプによって異なります。
例えば、令和7年度補正予算の「省エネ・非化石転換補助金」では、申請タイプによって補助対象経費が異なります。
(Ⅲ)設備単位型および(Ⅲ)GX設備単位型では、基本的に補助対象設備の「設備費」が対象です。
一方、(Ⅰ)工場・事業場型や(Ⅳ)エネルギー需要最適化型など、申請タイプによっては「設計費」や「工事費」を含められる場合があります。
「工事費」であっても、撤去費、建築工事、補助対象設備に直接関係しない工事などは対象外となることがあるため、内訳ごとの確認が必要です。
勘違い7|「一番補助率が高い申請方法を選べばいい」
設備補助金を比較するとき、まず補助率に目が向きがちです。
しかし、申請タイプを補助率だけで決めるのはおすすめできません。
なぜなら、申請タイプによって、
- 省エネ要件
- 対象設備
- 補助対象経費
- 投資回収年数
- 必要な省エネ計算
- 提出資料
- 補助上限額
などが異なるためです。
例えば、補助率の高い申請タイプがあったとしても、その要件を満たすために設備仕様を変更しなければならない場合や、対象経費の範囲が異なる場合があります。
まずは、
「自社の設備更新計画がどの申請タイプに該当するのか」
を整理し、そのうえで補助率や補助額を比較することが重要です。
勘違い8|「設備を決め、見積を取ってから補助金を探す」
設備更新では一般的に、
- 更新する設備を決める
- メーカーから見積を取る
- 社内予算を確保する
- 補助金がないか探す
という順番で進める企業も多いでしょう。
しかし、補助金を活用する場合、この順番では選択肢が狭くなってしまうことがあります。
補助金では、
- 対象設備
- 設備性能
- 省エネ効果
- 設備構成
- 事業期間
などに条件があります。
設備仕様を完全に決定してから補助金を確認した結果、
「別仕様であれば対象になった」
「複数設備をまとめれば別の申請方法が使えた」
「工事費を含められる申請方法があった」
というケースも考えられます。
設備更新を予定している場合は、設備メーカーへの正式発注や仕様確定より前に、補助金活用の可能性を確認しておくことが重要です。
勘違い9|「公募が始まってから準備すれば間に合う」
設備補助金の公募期間だけを見ると、
「公募が始まってから準備すればよい」
と思われるかもしれません。
しかし、実際の申請には、
- 設備仕様の確認
- 見積取得
- 既存設備の情報収集
- 稼働時間などの確認
- エネルギー使用量の整理
- 省エネ効果の計算
- 投資回収年数の確認
- 決算書等の申請書類準備
- 社内決裁
などが必要になります。
特に、特注設備や生産ラインなど、複雑な設備更新では省エネ計算にも時間がかかります。
令和7年度補正 省エネ・非化石転換補助金でも、SIIは申請準備の流れとして、申請タイプの検討、見積取得、必要書類の収集、省エネルギー量の算出などを示しています。
そのため、翌年度の設備投資を検討している場合は、公募開始を待たずに、可能な範囲で準備を始めることが重要です。
勘違い10|「来年度の公募要領が出ていないので、まだ何もできない」
翌年度の補助金を検討している企業からよく聞かれるのが、
「まだ来年度の公募要領が出ていないので、何も決められない」
という声です。
確かに、最終的な申請条件はその年度の公募要領が公開されるまで確定しません。
しかし、公募要領が公開される前でもできることはあります。
例えば前年の公募要領を確認すれば、
- どのような設備が対象になっていたか
- どのような省エネ要件があったか
- どの資料が必要だったか
- どのような省エネ計算が求められたか
- どの程度の事業期間が設定されていたか
といった基本的な仕組みを把握できます。
また、翌年度の概算要求資料などが公表されていれば、制度変更の方向性を確認できる場合もあります。
もちろん、前年と同じ条件になるとは限りません。
そのため、
前年の制度を基準に準備を進め、最新の公募要領が公開された段階で条件を再確認するという進め方が有効です。
「対象外だと思っていた」が、実は一番もったいない
設備補助金を活用できなかった理由として、
「採択されなかった」
だけではなく、
「自社は対象にならないと思い、そもそも検討しなかった」
というケースもあります。
特に製造業では、
- 特注設備を使用している
- 生産ライン単位で設備更新する
- 増産を予定している
- 更新設備がSIIの設備一覧にない
- 設備本体より工事費の割合が大きい
といった事情から、補助金は利用できないと判断してしまいがちです。
しかし、設備補助金には複数の申請タイプがあり、設備更新の内容や省エネ効果の評価方法によっては、検討できる可能性があります。
設備更新を予定している場合は、
「この設備は補助金対象か?」
だけではなく、
「この設備更新計画を、どの申請タイプなら活用できる可能性があるか?」
という視点で確認してみることをおすすめします。
設備更新を予定している段階からご相談ください
設備補助金は、設備仕様が決まり、見積が完成してから初めて検討するものではありません。
むしろ、
- 来年度に設備を更新したい
- 社内の設備投資予算を検討している
- 更新設備は決まっているが補助対象になるか分からない
- 特注設備なので補助金を使えるか分からない
- 増産予定があり、省エネ要件を満たせるか判断できない
といった段階で、補助金活用の可能性を確認しておくことで、設備選定や予算計画を進めやすくなります。
株式会社エネルギーソリューションジャパンでは、設備更新前後の省エネ効果の確認から、設備更新計画に適した申請タイプの検討、申請支援まで対応しています。
「自社の設備が対象になるか分からない」「まだ具体的な更新時期は決まっていない」という段階でも問題ありません。
設備の更新時期や概算予算、現在検討している設備が分かる資料をご用意のうえ、まずはお気軽にご相談ください。
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