はじめの一歩は「脱炭素化診断」から ①
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2022/11/13
この記事では、先日弊社でオンライン開催した「脱炭素診断セミナー」より、「脱炭素診断とは何か」について解説します。
これからカーボンニュートラルに向けた様々な改善をしていくうえで、自社の状態を把握せずに活動を進めることはできません。また、高く掲げたCO2削減目標を達成する際には、現場で様々な課題が発生します。そこで現状を見える化し、課題をクリアしていく一つの方法として、当社が提供する「脱炭素診断」があります。ここからは脱炭素診断について3つの記事に分けて詳しくお伝えします。
脱炭素診断セミナー
1.脱炭素診断をお勧めしたい方
脱炭素診断をお勧めしたいのは、以下のような方です。
- カーボンニュートラルの責任者や企画担当者で、「活動を進めたくても進められない」とお考えの方
こういった方は、会社のCO2削減方針に沿って工場や事業所・エネルギー管理の責任者に様々な打診をしていく立場です。しかし、現場からは「これ以上は削減できない、やれることはやっている」という回答が返ってくる場合も少なくありません。
また、「カーボンニュートラルがよくわからない」「他にもたくさんやることがあって取り組めない」「生産や品質に影響が出ないか心配」という声もあるでしょう。カーボンニュートラルに取り組む際に直面するこれらの課題について、脱炭素診断をきっかけに「課題を見える化」して前に進んでいただきたいと思います。
2.脱炭素化を進める上での問題点
一般社団法人日本能率協会が2021年に実施した「カーボンニュートラルの取り組みにおける現在の問題」というアンケートでは、以下のような悩みを多くの企業が抱えていることがわかります。
- 経済性と環境性の両立がはかれないこと
- 自社の技術革新が十分でないこと
- サプライチェーンを巻き込んだ取り組みができていないこと
カーボンニュートラルはこれから取り組むべき課題ですから、技術革新や交渉面で課題があるのは当然です。
また他の回答を見ていくと、非常にリアルな悩みがたくさん出てきます。
- 必要なリソースを確保できないこと
- 部門を超えた議論ができないこと
こういった現場レベルの課題が挙げられています。脱炭素診断は、多くの企業が悩む現場の課題をある程度解決できると考えます。
3.脱炭素診断の定義
当社では、脱炭素診断について以下のように定義しています。
- 現在の状態とカーボンニュートラルな状態とのギャップを把握すること
- そのギャップを埋めるための対策を抽出し、既存技術に関しては定量化し、未開発技術に関しては課題を明確にすること
この2つを見える化するのが脱炭素診断です。
4.脱炭素診断のメリット
脱炭素診断を活用するメリットは3つあります。
- 自社ではわからない第三者の視点で状態を把握できる
やはり現場の方は脱炭素のプロではないので、自分たちとしてはできる対策はすべてやっていると考えがちです。そこを第三者の視点で「他にもこういうことができる」と指摘することで、次の活動に進んでいけます。
- 専門家が検討するため結果が早い
ここでいう結果とは、自社にどれぐらい削減のポテンシャルがあるか、そして必要な投資額はどの程度かという検討材料を指します。現場の方が情報を集めるよりも、専門家が行った方がスピーディーに調査・検討ができます。
- ロードマップ策定の基礎資料が得られる
脱炭素診断の目的はここに集約されると思いますが、長期的にどういう取り組みをしていくのかを考える上で、ロードマップは欠かせません。どういう対策でどれぐらいCO2が減って、お金はどの程度かかるのか、そういった情報を見ながら3年・5年・10年間の取り組みを決めることができます。
5.脱炭素診断が提供する価値
脱炭素診断が提供する価値は、以下の3つです。
- 取り組み状態の見える化
- 削減ポテンシャルの見える化
- 計画材料の見える化
CO2削減に向けて今の時点でどこまで取り組んでいて、取り組めていないことは何なのかを可視化できること、さらに投資額や対策方法、現場の情報がすべて報告書となって見える状態になるのが大きな価値だと考えます。
6.脱炭素診断の範囲
脱炭素診断が、従来の省エネ診断とどう違うのかについて説明します。
上記の表の左端にある「対策分類」とは、取り組みやすい対策から順に5段階のレベルに分けて表記したものです。
- レベル1:運用改善・機能付加
事務所の空調の温度を1度上げるといった、お金がかからず取り組みやすい初めの一歩
- レベル2:更新
空調や照明など古くなった設備の更新をすると、効率が良くなり省エネにつながる
- レベル3:燃料転換・電化
使う燃料を重油からガスに切り替えたり、温水をガスではなく電気で温めたりする対策
- レベル4:排熱の回収
工場内で捨てているものから熱を回収して再利用する取り組み
- レベル5:統合・集約
生産ライン数を減らす中で設備を統合して、生産性を向上させていく対策
レベルが上がるにつれてCO2削減量は大きくなっていきますが、実施のハードルも同時に上がります。また別枠で、太陽光の導入や低炭素電力への切り替えという対策も存在しています。
従来の省エネ診断はほとんどがレベル1の部分で、削減量としては非常に小さく、事業所全体で5~10パーセント程度で終わることが多いものでした。一方で、当社の脱炭素診断ではレベル5までの対策すべてを通して、大きな削減を狙っていくという特徴があります。
ここまでは、「脱炭素診断」の概要とメリット、診断の範囲についてお伝えしました。
パート2は「脱炭素診断」によって明らかになる項目、実際の調査の流れについて掘り下げます。
↓脱炭素診断はこちら↓
脱炭素化の進め方 エネルギー診断 – エネルギー診断・ロードマップ策定・補助金申請を支援するESJ (es-jpn.com)
この記事を書いた人
田崎剛史
株式会社エネルギーソリューションジャパン 代表取締役 エネルギー管理士
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