
印刷機のCO2削減には、チラーとブロワの”固定エネルギー”の”変動化”がカギ
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2025/07/18
印刷業におけるCO2削減の本質的なアプローチとは?
印刷業におけるCO2排出量の削減といえば、まず印刷機本体の効率化や更新が思い浮かぶかもしれません。
しかし、実際のエネルギー診断の現場では、印刷機を支える周辺機器、特にチラー(冷却装置)とブロワ(送風機)が大きな電力を消費しており、その運転方法を見直すことでCO2排出量を大幅に削減できる可能性があることがわかっています。
固定エネルギーとは?なぜ削減しにくいのか
チラーやブロワは、印刷機の運転状態にかかわらず常に稼働しているケースが多く、「固定的なエネルギー消費」となっていることが少なくありません。
この「固定エネルギー消費」が把握できていないことが、CO2排出量の削減を難しくしている要因のひとつです。
このような固定エネルギーは、稼働率や印刷量に関係なく一定の電力を消費するため、稼働が少ない時間帯や停止中でもCO2を排出し続けることになります。
固定エネルギーを変動エネルギーに変えるという発想
エネルギー診断で効果的とされているのが、固定エネルギーの“変動化”です。
つまり、印刷機の稼働状況に応じて、チラーやブロワの運転を調整する制御方式を導入し、エネルギー使用量を稼働状況に比例して変動させるという考え方です。
【具体的な対策例】
- インバータ制御の導入
- 温度・圧力連動の制御システム導入
- 待機時の制御強化
実際の診断事例から得られた知見
ESJでは、これまで多くの印刷工場におけるエネルギー診断を実施してきました。
その中でも特に多かったのは、未制御のチラーやブロワ、待機時間に消費している電力量は事業者の想像以上に大きいというケースです。
過去に当社が診断を行ったある印刷工場で、ブロワへのインバータ導入を提案した際の試算では、約45%の電力削減が見込めることがわかりました。(下図参照)
【算出条件】
・モータ出力3.7kw / 必要風量 80%
・稼働時間 6,000時間/年 (20時間/日 × 300日/年)
また、待機時の電力量においても、待機時間の消費電力を2.0kWとして、待機時間を10時間低減させた場合の試算では年間で2,700kWhの消費エネルギーが削減できる見込みと算出されました。
CO2削減と電力削減は両立できる
チラーやブロワの見直しは、単なるコスト削減にとどまらず、脱炭素経営の実現にも直結します。
これまで「印刷機そのものを更新しなければ意味がない」と考えられていた方も、周辺機器の見直しにより、少ない投資で大きな効果を得ることができる可能性があります。
ESJが提供する伴走型支援
ESJ(エネルギーソリューションジャパン)では、印刷業をはじめとした中小製造業に対し、実際のエネルギー使用状況に基づいた診断と改善提案を提供しています。
特に固定エネルギーの変動化に関する提案には多くの実績があり、お金をかけない運用改善に取り組むだけでも効果を得られることがわかっています。
まずは自社のエネルギーの使われ方を知ることから
印刷機のCO2削減に取り組みたいとお考えの方は、まず自社でどの機器がどれだけの電力を使っているのか、見える化することから始めてみませんか?
IT診断やSHIFT事業を活用すれば、自社の見える化を大きく前進させることが可能です。
詳しく知りたい方は、ぜひ以下よりお問い合わせください。
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