
脱炭素への第一歩|中小企業の管理部門が押さえるべきデータと管理方法
- CO2を算定したい
- 脱炭素って何からはじめるの?
- コストを削減したい
- CO2の見える化をしたい
- 脱炭素の情報が知りたい
- #現状把握
- #CO2排出量算定
- #エネルギーを見える化したい
2025/06/12
「脱炭素に取り組まなければ…」そう思いながらも、何から始めたら良いのか分からず“立ち止まっている中小企業”は少なくありません。
本記事では、【管理部門のご担当者】に“CO2削減に向けて、今すぐ押さえてほしい”
基本データと、その管理方法について、ESJ(エネルギーソリューションジャパン)の現場ノウハウをもとに分かりやすく解説します。
CO2削減の第一歩は「現状把握」から
CO2削減に向けて最も重要なのは、
“自社がどれだけエネルギーを使っているかを正確に把握する”ことです。
この現状把握は、省エネ対策や設備更新の優先順位における重要な判断材料になります。
管理すべき主なデータとは?
中小企業が脱炭素の第一歩として管理すべきデータには、以下のようなものがあります。
エネルギー使用量(kWh、L、m3など)
・電気、ガス、燃料などの使用量(請求書ベースでの記録でも可)
・部門別、設備別に分けて集計できるとベター
・エネルギー使用量はCO2排出量算定の基礎となります
生産量(製品数、重量など)
・エネルギー効率やCO2排出原単位(例:1製品あたりのCO2排出量)の把握に活用できます
・エネルギー使用量が同じでも生産量が多ければ効率は高いという判断が可能です
稼働時間(稼働日数・時間)
・エネルギー使用量との相関分析に利用可能
・特定の時間帯に無駄なエネルギー使用がないか把握できます
誰が、どのように管理すべきか
日々の請求書の管理や経理データを扱っている管理部門の担当者が中心となって、データを集約・記録していくことが現実的です。Excelなどを活用して月別の記録をつけることから始めましょう。
将来的には、クラウド型のエネルギーマネジメントシステム(EMS)などの導入も有効です。
集約したデータは算定ツールを活用すれば意外と簡単にCO2排出量を算定することが可能です。環境省や自治体、業界団体などのウェブサイトには、無償で算定ツールが提供されていますので、使いやすいツールを探してみるのも良いかもしれません。
中小企業のカーボンニュートラルへの取り組みを支援する自治体の補助事業については、こちらの記事で解説しています。
参考:日本商工会議所 CO2チェックシート
集約データをどう現場に伝えるか~効果的な共有と活用方法~
管理部門が集約したエネルギー使用量や稼働時間、生産量などのデータは、単なる記録に留まらず、現場と共有することで初めて「改善」の行動につながります。
- グラフや簡潔な指標(例:エネルギー使用量の推移、1製品あたりのCO2排出量)として“視覚的に提示”する
- 定例会議で、“部門別の傾向や過去(前年や前月)と比較した結果”を報告する
- 「なぜデータを取っているのか」を明確に伝え、“現場の納得感を得る”
- 改善提案を促す際には、「データに基づく気づき」や「成功事例(省エネにつながった取り組みなど)」を併せて紹介する
このように、現場との双方向のコミュニケーションを意識し、使用エネルギーデータを共有(見える化)することで、脱炭素の取り組みに説得力が加わり“管理部門だけの話”ではなく、“会社全体の目標”として定着しやすくなります。
図解で見るデータ管理から現場改善へのサイクル
以下の図は、管理部門が中心となってデータを集約し、それを現場にフィードバックすることで改善が進み、再びデータとして管理部門に戻るという「改善サイクル」のイメージを表しています。
この循環をうまく回すことで、脱炭素の取り組みを属人化させず、組織全体で継続的な改善が可能になります。
さらにデータ集約に「見える化システム」を導入することで、次のようなメリットが期待できます。
- 工数低減に加え、より精緻なエネルギー使用データを収集できる
- エネルギー使用のムダを特定
- 設備の劣化や異常を早期に発見
- 社員の省エネ意識向上によるエネルギーコスト削減
「見える化」から始める脱炭素
ESJでは、エネルギー使用量やCO2排出量の「見える化」から効率的な削減対策の提案までをワンストップで支援しています。
「自社に何が必要か分からない」という段階でも、まずはお気軽にご相談ください。
まとめ|できることから、「今」始めよう
CO2削減は一朝一夕には進みませんが、「知ること」「記録すること」から始まります。
まずは管理部門が中心となって、使用エネルギーや稼働データの記録を習慣化してみましょう。皆さんが踏み出すその一歩が、会社全体の脱炭素への第一歩となるのです。
CATEGORYカテゴリー
-
業種でさがす
-
設備でさがす
-
お悩みでさがす
-
導入事例でさがす