
設備補助金を選ぶポイントとは?~更新計画とエネルギー診断で最適な補助事業が明確になる~
- 設備更新をしたい
- 補助金を活用したい
2025/10/03
製造業にとって設備更新は避けて通れないものであり、設備更新に補助事業の活用を検討している企業は多いのではないでしょうか。
しかし、補助事業とひとことで言ってもその種類は多岐に渡ります。
「情報収集している間に公募開始となり、十分な準備ができないまま申請した結果、不採択になってしまう」
このような事態を避けるため、この記事ではどの設備補助金を活用するかを選択するポイントについて解説します。
設備補助金の種類と特徴を理解する
設備更新を進める際、国や自治体の補助金制度を活用することで投資負担を大きく軽減できます。
代表的な制度には以下があります。
経済産業省:省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金
設備更新で補助事業を活用する際、まず検討する制度といえば、経産省の省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金を思い浮かべる方も多いでしょう。
この制度は設備導入を行う補助事業を、(I)工場・事業場型、(Ⅱ)電化・脱炭素燃転型、(Ⅳ)エネルギー需要最適化型の3つの事業区分から選ぶことができる制度です。
3つの事業区分といっても(I)工場・事業場型は更に3つの申請枠に分かれていて、どの枠で申請するのが適当であるのか混乱してしまう企業もあるかもしれません。
簡単に説明すると、以下のようになります。
更に詳しく知りたい方はこちらの記事で解説しています。
(I)工場・事業場型
【先進枠】あらかじめ認められた先進設備・システムに更新する場合
【一般枠・中小企業投資促進枠】目的や用途に合わせオーダーメイドした設備への更新や省エネ効果が高いと予め認められた設備への更新で、中小企業投資促進枠は省エネ効果の要件が一般枠に比べ緩和されています。
先進設備への更新や、工場事業場全体、生産ラインの更新など、大規模な設備更新を計画している場合に検討したい制度です。
(Ⅱ)電化・脱炭素燃転型
化石燃料(石油・石炭・天然ガスなど)から電気への転換や、A重油からガス化など、より低炭素な燃料への転換など、電化や脱炭素化を目的とする燃料転換を伴う設備を導入する場合
(Ⅱ)電化・脱炭素燃転型の補助対象設備は下記の5設備に限定されていますが、下記に該当しない「その他SIIが認めた高性能な設備」のうち、電化・脱炭素燃転型に資するとして指定されている設備も対象となります。
- 産業ヒートポンプ
- 業務用ヒートポンプ給湯器
- 低炭素工業炉
- 高効率コージェネレーション
- 高性能ボイラ
取引先からの脱炭素化要請を機にCO2排出量の削減を推進している場合などに検討したい制度です。
(Ⅳ)エネルギー需要最適化型
SIIに採択されたエネマネ事業者と、登録されたEMS(エネルギーマネジメントシステム)を用いて、より効果的に省エネ化を図りエネルギー需要の最適化を目的とした制度です。
▼▼▼ 設備更新の進め方を詳しく見る ▼▼▼
環境省:SHIFT事業
【省CO2型システムへの改修支援事業】
中小企業等を対象とし、CO2排出量を大幅に削減する電化・燃料転換・熱回収等の取組により「工場・事業場単位」で15%以上または主要なシステム系統で30%以上のCO2排出量を削減する設備の導入を支援する。
※単純な高効率化改修は補助の対象外
【DX型CO2削減対策実行支援事業】
中小企業等を対象とし、DXシステムを用いて設備運用状況をデータによって見える化し、運用改善をタイムリーに実施することによるCO2削減や適正な設備容量への改修計画を策定しCO2を削減する取り組みを支援する。
具体的な設備更新の優先順位が定まっていない場合や、最適な削減効果を得るためにDXシステムで現状の運用状況を見える化し、削減の計画を策定したい場合などに検討したい事業です。
▼▼▼設備更新の優先順位を明確にしたい▼▼▼
※環境省SHIFT事業ウェブサイトはこちら
自治体独自の省エネ補助制度
それぞれの自治体によって、申請要件・補助率・スケジュールが異なるため、各自治体ホームページ等でご確認ください。
「自社にどの制度が適しているか」を判断するには、まず補助制度の目的を理解し、自社の方向性を整理することが欠かせません。
補助金選びのポイントは「更新計画」にあり
補助金は単年度ごとに公募され、要件も毎年変わるため、思いつきで設備更新を進めると申請要件に合わないケースが発生します。
そこで有効なのが中期的な更新計画を策定することです。
【更新計画で整理できる内容】
- どの設備を優先的に更新すべきか
- どの補助金の要件と合致するか
- 投資効果(省エネ率・CO2削減率・コスト削減額)をどのように示せるか
更新計画を立てておけば、毎年の公募に合わせて「どの補助金に申請すべきか」が明確になり、結果として採択率も高まります。
更新計画づくりに欠かせない「エネルギー診断」
合理的な更新計画を立てるには、工場や事業場のエネルギー使用実態を正しく把握することが必要です。
ここで有効なのがエネルギー診断です。
【エネルギー診断で得られる効果】
・生産ラインや設備ごとのエネルギー使用量を「見える化」
・老朽化や非効率な設備の特定
・投資効果を裏付けるデータ(省エネ率、CO2削減量)を算出
エネルギー診断結果を基にした更新計画は、補助金申請においても「定量的な根拠」として大きな強みとなるほか、自治体の補助事業活用の際にも、エネルギー診断の診断結果に基づいた提案が申請の要件となる場合もあります。
ESJの支援実績とサポート体制
株式会社エネルギーソリューションジャパン(ESJ)では、
・中小企業向けのエネルギー診断(環境省SHIFT事業や経産省IT診断などに対応)
・補助金申請の計画策定から採択後の報告支援までトータルサポート
を提供してきました。
製造業、印刷業、樹脂加工業、砕石業など、多様な業種の企業で「診断 →計画策定 → 補助金申請 → 設備更新」の一連のプロセスを支援しています。
まとめ:まずはエネルギー診断から設備更新の計画を
どの補助金を選ぶべきか悩む企業ほど、先に計画を立てることで判断が容易になります。
そして、その計画の精度を高めるためにはエネルギー診断が出発点です。
補助金活用を見据えた設備更新を検討中の方は、まず診断から始めることをおすすめします。
▼▼▼まずは設備更新の流れを確認する▼▼▼
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