
SII省エネ補助金で重要な「省エネ率の分母」の違い?~工場・事業場型と設備単位型の選び方~
- 設備更新をしたい
- 補助金を活用したい
- #生産設備
2025/09/12
はじめに
経産省の省エネ補助金を申請する際、多くの企業が意外と見落としがちなのが「省エネ率の分母」の考え方です。
実は、この省エネ補助金には、「工場・事業場型」と「設備単位型」の2種類があり、この省エネ率の分母(申請単位)が異なることで、同じ設備更新でも補助金申請の通りやすさや評価結果に大きな違いが出てきます。
この記事では、補助金を活用したいけれど、どの区分で申請するのが適しているのかを簡単に解説します。
来年度を見据えた補助金の活用を検討されている方は、ぜひ参考になさってください。
工場・事業場型:工場全体のエネルギー使用量が分母
工場・事業場型では、分母に「工場や事業場全体の年間エネルギー使用量(原油換算)」を用います。
つまり、工場全体に対してどれだけの削減効果があるかを示す方式です。
例えば、
- 工場全体の年間エネルギー使用量:1,000kL
- 更新により削減できる量:50kL
⇒省エネ率:50 ÷ 1,000 = 5%
規模の大きな工場ほど分母が大きくなるため、単一設備の更新では数字が小さくなり申請が難しくなることが特徴です。
そのため、複数の設備更新や設備改善を組み合わせることにより、全体として一定以上の省エネ率を確保する必要があります。
設備単位型:対象設備のエネルギー使用量が分母
一方で設備単位型では、分母に「更新対象設備のエネルギー使用量」を用います。
更新前と更新後の性能差が省エネ率として算定されるため、そのまま削減効果として示せる点が特徴です。
例えば、
- 老朽化ボイラーの年間燃料使用量:100kL
- 新ボイラーで削減できる量:20kL
⇒省エネ率:20 ÷ 100 = 20%
工場全体に占める割合は小さくても、設備自体の効率改善を明確に示せるので、省エネ率が高く出やすくなります。
どちらを選ぶべき?
工場・事業場型がおすすめなケース
- “工場全体の最適化”を図りたい。
- 省エネ診断を受けて複数の改善策を“複合化”する場合に有効
設備単位型がおすすめなケース
- 特定設備の老朽化対応や高効率機への更新を中心に“部分的”に進める場合に有利
- 中小企業では比較的申請しやすい
特に中小企業では、申請に何度も手間をかけることが難しいため、申請前に「設備単位型」で進めるか、「工場・事業場型」で進めるか検討することが重要です。
ESJの支援体制
株式会社エネルギーソリューションジャパン(ESJ)では、これまで多数の補助金申請を支援してきた実績があります。
- 省エネ診断による現状把握と省エネ対策のご提案
- 工場全体と設備単位、それぞれの最適な申請戦略のご提案
- 採択率を高める申請書類作成サポート
- 申請後の成果報告までトータルで支援
省エネ率の分母の取り方ひとつで採択結果が変わるため、早い段階から専門家のサポートを受けることが成功の鍵となります。
まとめ
SII省エネ補助金では、
【工場・事業場型】 工場全体のエネルギー使用量が分母
【設備単位型】 対象設備のエネルギー使用量が分母
という大きな違いがあります。
自社の設備状況や投資計画に応じて適切な型を選ぶことで、補助金採択の可能性を高めることが可能です。
ESJでは、この他にも中小企業の設備更新を支援するためのノウハウを豊富に持ちあわせています。
補助金を活用して効率的に設備更新を進めたいとお考えの企業様は、お気軽にご相談ください。
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